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マッチング事例

事例⑨

「人材」を大切に、働きやすさを追求。
信州で経済活性化のハブ企業へ


[業種]ソフトウェア開発
ネクストリンクス株式会社
(松本市)

受け入れ企業

ネクストリンクス株式会社
代表取締役社長宮川 強さん

1967年生まれ。長野市戸隠出身。高校卒業後、富士通株式会社に入社しSEとして経験を積む。1992年、エム・ケー・シー株式会社(現TIS長野株式会社)入社。2013年、発起人の1人としてネクストリンクス設立に携わり、2019年5月から現職。「初志貫徹」をモットーに、地域・社会への貢献という設立当初からの理念、志を貫く。

客員研究員

リサーチ・フェロー
岩沢 隆太さん

1987年、長野県大町市生まれ。外資系ITベンチャーで企画職、ゲームアプリ業界で開発・運用ディレクター、観光領域でWEBディレクター・コンサルティング職を経て東京都内で独立し、起業や経営に携わる。2020年度、ネクストリンクスでプログラム第3期修了。Uターンし、現在同社で社員として経営企画や広報、人事・採用・研修を担当。

ミッション

人事制度改革と人材教育、採用活動の見直し。
ブランディング・広報戦略など。

リサーチフェローの取り組み成果

会社の本質的な課題を研究。会社が求めるべき姿に対して人事はどうあるべきかを大学で学び、そのフィードバックをもとに採用を担当。働きやすい職場づくりや社員の意識改革にも取り組みました。
定年制廃止の実現や人事制度改革に向け研究・戦略を立て、その実現の土台作りをしました。働きやすさに注目し、認定取得準備や、広報を通じたブランディングと知名度アップに貢献しました。

修了時から現在までの取り組み

人事制度改革の一環で全国的にも非常に珍しい定年制の廃止を制度化しました。引き続き、人事制度改革・社員研修に取り組んでいます。社員がいきいきと働くことができる職場環境づくりを基準とした厚生労働省の「ユースエール認定」などの取得も叶いました。マスコミにも取り上げてもらうなど、ブランディングを推進、採用力も高まりつつあります。

未来へのシナリオ

ネクストリンクスは「すべてのつながりを大切に新たな価値を創造し、地域・社会に貢献する」を経営理念とし、企業や大学、NPO法人など様々なステークホルダーと繋がり、長野県の地域経済を活性化するハブ企業となることを目標としています。
地域のIT企業として「人材」を大切にしたい。その為にも「従業員が快適に働ける環境」を提供したい。そのような想いから「年齢に関わらず働き続けられる社内体制」「リモートワークや短時間勤務制度などフレキシブルな勤務形態」を構築しました。社員一人ひとりが自分らしいいキャリアパスを描き、ライフワークバランスを実現し、幸せな生活を送れる企業を目指します。そして従業員、地域の皆様とともに成長する企業で在り続けることが、ネクストリンクスの目指す未来シナリオです。

「人材」育成のキーパーソンを得て
 長野県のハブ企業を目指す

このプログラムに参加した理由は?

企業・大学・NPOが連携しみんなで長野県を育てて盛り上げようというプログラムの理念に賛同して参加しました。「すべてのつながりを大切に新たな価値を創造し、地域・社会に貢献する」というのが弊社の企業理念で、人とのつながりを何より大切にしています。売上や事業規模などの数字優先ではなく、人間同士のつながりの中で、お客様のビジネスが成長することで自分たちも成長するビジネスに真剣に取り組んでおり、プログラムの理念とも共通しているからです。

経営課題に対する岩沢さんの関り方は?

弊社の武器であり課題でもあるのが「人材」です。弊社のようなSler(エスアイヤー)は、お客様の課題解決のためのシステムを企画・構築し、その運用保守を請け負います。そのため、お客様の業界や業務を分析し、提案した上で受注します。これはフロントに立つ人間のノウハウが重要です。お客様から信頼を得られるように社員をどんどん成長させ、スキルアップさせることで人材が強みにもなり、ここがおろそかになると課題になってしまうのです。このプログラムのスタート段階から、岩沢さんは企業を分析するスキルを持っていました。企業が抱える本質的な課題についてすぐに打ち合わせができて非常に助かりました。岩沢さんは経営企画部で人事関係を担当し、どういう人を採用して育てて、どういう形でチーム力をあげたら良いか、新しい流れを作ろうと一生懸命取り組んでいます。他社のやり方も見てきているので新たな視点をもらえるなど、重ねてきたキャリア経験の力は大きいと感じています。

受け入れて社内はどう変化しましたか?

岩沢さんは、プログラム中から現在に至るまでの間に、定年制廃止の実現・人事制度改革・社員研修を進めると同時に、社員がいきいきと働くことができる職場環境づくりを基準とした厚生労働省の「ユースエール認定」などの認定を取り、弊社のブランディングを推進しています。人事制度の刷新によって、それまでは決められた制度の中にいた社員たちが、人事は自分で考えるものだと認識し、自分のキャリアパスに向き合うようになりました。また、認定は取ること自体が重要なのではなく、取るための過程でさまざまな形で社内外と協力することが必要です。本業以外に目を向けて認定取得にチャレンジすることで、社員たちが得る気付きがかなり多い。共に勉強をしながら、私を含めみんなが中小企業だからこその働く楽しさを感じています。

プログラム参加の意義をどう捉えますか?

グローバル化が進み、県内に大きい会社が数社あれば経済が成り立つような時代は終わっています。次世代にこの長野県を引き継いでいくためには、産学官民が連携して長野県の魅力を打ち出していく必要があります。仮にプログラムを通じて受け入れた人材が会社を退職して、都会に戻ったとしても、長野県にゆかりを持った人が各地に増えていくことになるでしょう。「継続は力なり」です。長野県を頑張って活性化しようと協力し合うことで、地域経済に非常に良い結果をもたらすと思います。

岩沢さんに期待することは何ですか?

弊社の中期計画の中で、我々は長野県のハブ企業になろうと目標を掲げています。ここでいうハブとは、コミュニケーションのハブであり、お客様とお客様をつないだり、成長につながる技術を提供したりする中で、頼りにされる企業ブランドを創っていこうと社員に訴えています。目先の数字だけに注力せず、付加価値のあるサービスを提供し、お客様の成長を中長期に渡り支援し続ける中でお金をいただく、そのために最も重要なのが、社員の意識改革のための教育なのです。その点において、これからも岩沢さんの力が大いに役に立つと期待しています。

人事制度改革を経て
腰を据えて経営企画のエキスパートへ

このプログラムに参加した理由は?

首都圏で培ったスキルと経験を地方で還元できないかと考えており、可能であれば故郷長野県で実現したいと情報を探していたところ、プログラムのことを知りました。地方に住みながら、リモートで首都圏の仕事をすることもできましたが、生まれ故郷の長野県の会社に深く関わってみたいという気持ちが後押ししてプログラム参加を決めました。長野県出身者とはいえ地方での生活が不安でしたが、働きながら学べる半年間のプログラムは非常に魅力的でした。社会人の学び直しであるリカレント教育に興味を持ち始めていたタイミングでもあったので、大学でゼミに参加したり、各分野の専門家である教授陣と関われるのは大変良い機会でした。

会社の最初の印象はどうでしたか?

私が勤めてきた首都圏のIT企業とは異なり、長野県のような地方のIT企業は硬いイメージがありましたが、良い意味でその印象を覆してくれる面白くて柔軟な会社でした。私はマーケティングやWEBサービス開発などに携わってきたため、その分野の強化を図るために会ってくれると思っていましたが、経営企画部でのお仕事を提案いただけたのは意外でしたね。私としては、このプログラムで、自分ができることを決めつけるのではなく、関わった仕事のおもしろさを追求してきました。ですから意外と違和感なく入り込むことができました。
 

リカレント学習を現場にどう生かしましたか?

実務の場で大学の学びが生きたと感じた経験はなく、学問はあくまでも学問という姿勢でこれまで仕事をしてきましたが、このプログラムに参加してアカデミックな学びの大切さを実感しました。例えば、大学で教授陣やリサーチフェローの同期と企業内の課題について議論し分析し、それらを会社に持ち帰り実践すると、現場では新たな気づきや驚きの声が聞かれました。一般的に会社員が学問的な視点や考え方で業務に取り組むことは少ないと思うので、学んだことを展開すると社員にも斬新に映り、それが新たなアイデアにつながるなど、良い意味で現場の実務と学問が融合していると感じました。

現在に至るまでの取り組みの成果は?

プログラムを終えた後、ネクストリンクスに正社員として入社しようと思ったのは、半年間ではやりきれなかったことが多すぎたからです。新たな企業風土を醸成し、組織の雰囲気を変えるには、少なくとも数年はかかります。人事制度の改革もまだ道半ばですが、社員が意識を変えるきっかけを作れたり、外部の認定を受けたり、メディアに注目していただく中で、この会社の知名度が上がってブランディングにつながり、結果的に採用力が上がりました。地道な活動が実って中南信では知られる存在になり、評判を聞いて採用選考に来てくださる方も増えました。

今後どのようなキャリアを作っていきたいですか?

私自身の提案から動きだした人事制度改革について、制度化して終わりにするのではなく、定着化を推進したいと考えています。また、私が採用に関わり入社された方が「入社してよかった」「長く勤め続けたい」と思って頂けるような企画・組織づくりを行っていきたいです。社内のコミュニケーションをしっかり取り、いろいろな人とつながりを作っていきたい。自分の次の世代の人たちがより働きやすい会社を創るために、どれほどの時間がかかるかわかりませんが、皆さんに支えていただきつつ挑戦していきたいと思います。

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信州100年企業創出プログラム事務局
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